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お釈迦様がお誕生になられたのは、四月八日です。
そのとき「天にも地にもわれひとり」と、上と下を指さしてお誕生になったというので、いまでも花祭りの日にお寺で甘茶をかけるのはこのお姿をしておられるからです。
お釈迦様は仏教のことなど、いろいろいいことをおひろめになって、いよいよご臨終のときには人はもちろん、あらゆる動物がかけつけて行ったということです。
このとき、すずめは、
「大変だ、お釈迦様、ご臨終とのことだ」
と働いていたまま、手ぬぐいをかぶったままとんで行ったそうです。
こうして、いろいろのものたちが集まって行ったようですが、
ヘビは、長い道中をにょろ、にょろ、にょろと行くので、後ろから行ったカエルが
「じれったいな、まったく、にょろにょろと、お釈迦様のご臨終だっていうときに」
と、ひょいとヘビの歩いている上を飛び越したらしいです。
するとヘビも、
「なにくそっ、飛び越したりして、ただおくものか」
といきなり飛び越そうとしたカエルの足を呑み込んじゃったらしいです。
それから、ヘビはカエルを足から吞むようになったということです。
ツバメは、おしゃれだったので、口紅をつけたり、お化粧をして出かけました。
それでお釈迦様は、
「お前はおしゃれで、こんな大切な時だということ忘れている。今後、お前には、虫しか食べさせられない」
と、おっしゃいました。
すずめは、鍋墨だらけの手をして、手拭もかぶったまま働いていたなりで行ったので、
「お前はお米を食べていい。一生お米を食べなさい」
と、お釈迦様はいいなさったそうです。
十二支の話にも同じような構想になっていました。
ツバメは、おしゃれなので除外されています。
すずめは、働きものなので、人間のそばにいて、食べ物には困らない生活をしています。
一方ツバメは、空を飛びまわって虫を捕まえなくては、ならないようです。
働きものとおしゃれ好きの対比ですね。(空を飛びまわって、虫を捕まえるのも働きもののような気がしますが。。。)