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あるとき、大根と人参とごぼうの三人が、仲良く旅にでました。
宿屋に着いて、ひと休みすると、いっしょにお風呂に入ろう、ということになりました。
大根はおしゃれです、お湯に入っても、ていねいによく洗ったので、まっ白になりました。
人参は、お酒を飲んで赤い顔をしていたので、あまり洗わなくてもいいって、ちいっと洗っただけで出てしまいました。
ごぼうは、お酒を飲みすぎて、お湯にはいらず洗いもしなかったので、よごれて真っ黒なままでした。
こんなわけで、いまでも、大根は肌がきれいで色も白く、人参は赤くなり、ごぼうは、あんなに黒いのだということです。
これは、相模国でのお話しです。
越後では
山遊びに行った、三人がくたびれ果てているときに、お百姓におぶわれて山を下りた大根は元のまま白く、残された人参は怒って真っ赤になり、ごぼうはあんまり怒ってひっくり返っていたので、日に焼けて真っ黒になった、というお話しがあります。
大根と人参とごぼうのお話しは、日本各地に伝えられているようです。