相模の国藤沢のむかし話

相模国藤沢地方には、たくさんのむかし話が伝えられています。昔は、たくさんいたであろう動物たちの話、虫たちの話もあります。すてきな人々の話は、懐かしい思いになります。

これは十二支の話です

 

 

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おばあさんが、話してくれました。

 

二月の十五日は、お釈迦様の亡くなられた日でねって

 

お寺では、釈迦涅槃図って、この辺では、オヒョウゴというのを掛けたんです。

 

そのオヒョゴウには、お釈迦様の亡くなられたときのことが、絵になっていたそうです。

 

お釈迦様の臨終には、大勢の、ずいぶんと、たんとの鳥だの獣だのが集まってね、仲間になっていないのは、燕と猫だけでしたとよ。

燕という鳥は、お釈迦様が臨終だと聞いても、白粉つけたり紅つけたり、しゃれていたんでね、お釈迦様の死に目に会えなかったそうです。

それで、十二支のなかに入れなかったそうです。

 

燕は、のどのあたりがきれいだったり、くちばしがちょっと紅くなったりしてるでしょ、あれは、その時のお化粧のあとだそうです。

 

猫も、お釈迦様の臨終だと言っても、知らんぷりして、顔洗っておしゃれしていて

「お釈迦死んでも、こちゃかまわねえ」っていってて、脇を向いていたって。

猫だけは、お釈迦様が死んでも涙をこぼさなかったってね。

 

そんなふうだから、十二支の仲間に入れなかったのだそうです。

 

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十二支に由来する昔話は、日本中にあります。

その多くが、何故、猫が十二支に入っていないかの話です。

ネズミに騙されたとか、性格が意地悪だからとか、なかには、お釈迦様の薬を取りに行ったネズミを猫が食べてしまったから、とかさんざんです。

なにか、猫が可哀そうにもなります。

キツネが入らないわけの話もいろいろあるようですが、怠け者だからとの話が多いようです。

 

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